日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
原著
血液浄化装置における脱血圧変化が実流量に与える影響
脱血圧変化における3機種の流量誤差率の比較
山香 修嘉松 翔上原 舞美平嶋 晃大真茅 孝志木嶋 涼二杉原 学福田 理史中村 篤雄新山 修平高須 修山下 典雄坂本 照夫
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2013 年 4 巻 2 号 p. 138-142

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抄録

近年,脱血状態を脱血圧で監視している血液浄化装置が増加している。しかし,旭化成メディカル社製の血液浄化装置ACH-Σ®(以下Σ),プラソートiQ21®(以下iQ),プラソートLC®(以下LC)の各装置において,脱血圧の違いによる実流量の影響についての報告は無い。そこで,これらの装置について,脱血圧変化が実流量に与える影響を検討した。【方法】血液ポンプ設定流量を50,80,150,200mL/min,脱血圧を-70,-100,-150,-250mmHgに設定した。1分間に吐出される模擬血液の重量を各3回電子天秤で計測した。模擬血液重量から実流量を算出し,流量誤差率を{(実流量-血液ポンプ設定流量)/血液ポンプ設定流量}×100から求めた。【結果】流量誤差率(y)と脱血圧(x)は回帰式から,Σ:y=0.0249x-3.694,iQ:y=0.0384x+4.544,LC:y=0.0417x+0.666の関係を得た。【結論】Σの回帰式の傾きは他と比べ緩やかであり,脱血圧の影響を受けにくいといえる。装置や回路の違いで脱血圧が実流量に与える影響が異なり,各装置の特性を把握し使用することが重要と考えた。

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© 2013, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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