2013 年 4 巻 2 号 p. 143-147
持続的血液濾過透析(CHDF)において透析効率は理論上透析液量と濾過量の総量にて規定されると考えられており,膜面積の違いによる影響および膜面積と膜耐久性の関係も定かではない。また,CHDFを施行する状況では,体液変動の観点から充填量を押さえるべき状況も多々ある。そこで保険診療内で使用可能な透析液流量である場合,小分子透析効率が膜面積,血液流量によらず透析液流量から規定されることを水系実験から確認した。そして,実臨床で使用したAEFシリーズ(AEF03:37本,AEF07:31本)において使用可能時間を指標とした膜耐久性と回路内圧を比較検討した。低膜面積の濾過器は膜面積が大きい濾過器と比較して,膜耐久性,小分子透析効率,除水性能において同等である可能性が示され,低充填量のため開始時の体液変動,返血不可能な際の失血量,異物接触などを低減させ得ることからより低侵襲な治療の可能性が示された。