日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
急性リンパ性白血病に対して遠心分離による白血球除去療法を施行した1例
徳留 実香植田 浩司井上 和久吉田 哲也石井 利英吉川 真由美坂地 一朗木下 啓太村上 徹上浦 望吉本 明弘船山 由樹田端 淑恵
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2013 年 4 巻 2 号 p. 164-167

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抄録

白血球除去はカラムを用いた治療法が主流だが処理量に限界がある。今回われわれは遠心法を用いた白血球除去療法を施行した症例を経験した。[症例]39歳男性。動悸,息切れを主訴に白血病疑いにて当院へ緊急搬送となる。意識清明,血圧128/64mmHg,体温37.5℃,呼吸回数20回/min,SpO2 93%(酸素2L)。採血検査上,WBC 438,500/μL,RBC 1,520,000/μL,Hb 4.3g/dL,Ht 12.7%,Plt 16,000/μL,PT-INR 1.34であった。[方法]ブラッドアクセスには両上肢静脈を選択し,遠心分離器COBE® Spectra(TERUMO BCT)を使用し,抗凝固薬としてACD-A液を用いて施行した。[結果]施行後に白血球数は177,100/μLにまで減少した。[結語]遠心法による白血球除去療法においても安全かつ有効な治療効果を得ることができると考えられた。

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© 2013, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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