日本急性血液浄化学会雑誌
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症例報告
低体温症に対する積極的体内加温として血液透析を施行した2例
菅野 義彦林田 敬城下 晃子香野 日高本間 康一郎鈴木 昌吉田 理堀 進悟林 松彦
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2013 年 4 巻 2 号 p. 160-163

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抄録

低体温症の2例に対して積極的体内加温としての血液透析(HD)により早期の復温をし得たので報告する。【症例1】60歳代男性。職場屋内で倒れているのを発見され,当院に搬送された。搬入時意識JCS Ⅰ-3-RI。腋下体温は測定不能。その後膀胱温が28.4℃と判明,血清クレアチニン値(Scr)19.72mg/dLのためHDを施行した。透析液温34.6℃より開始し,39.0℃まで上昇したところ3時間透析後は体温34.2℃まで上昇した。【症例2】60歳代男性。公園で長時間横たわっていたため,当院に搬送された。搬入時意識JCS Ⅲ-100。直腸温27.5℃。Scr 5.45mg/dL,血清カリウム値6.5mEq/LのためHDを施行した。透析液温37.5℃よりHDを開始し,39.0℃まで上昇したところ2時間HD後は体温33.3℃まで上昇した。体外循環を用いた復温法は症例の状態に応じて適切に選択されるべきと考えられた。

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© 2013, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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