2014 年 5 巻 1 号 p. 25-29
小児急性肝不全における人工肝補助療法の設定,デバイスなどはいまだ標準化されていない。当院では2009年5月より,30kg以下の小児に対して,プロトコールを作成し,人工肝補助療法を導入している。肝不全における単純血漿交換療法(PE)は血中からの有害物質の除去だけでなく,凝固因子の補充療法としても重要である。今回,本プロトコールで規定しているPEの置換血漿量(100~150mL/kg)が凝固因子の補充量として十分であるかどうかを検討した。急性肝不全昏睡型の患児7症例(体重6.4~19.3kg)を対象とし,初回PE前後のプロトロンビン時間(PT-INR,PT活性)を比較した。7例中6例(86%)でPT-INR,PT活性はそれぞれ,PT-INR<1.5 and PT活性>40%に改善し,出血性合併症を認めることもなかったため,本プロトコールで規定しているPEの置換血漿量は凝固因子の補充という点で妥当であると考えられた。