2014 年 5 巻 1 号 p. 45-50
救急集中治療領域において急性血液浄化療法は広く施行され,アフェレシス療法も重要な一角を担っている。とくに自己免疫疾患などの急性増悪時には,血漿交換療法(Plasma Exchange:PE)や二重濾過膜血漿交換療法(Double Filtration Plasmapheresis:DFPP)が施行されている。置換液にアルブミン(Albumin:Alb)溶液を用いたPEとDFPPを比較すると,自己抗体が存在するIgGを65%除去する場合,PEでは循環血漿量(Plasma Volume:PV)の0.9倍,DFPPではPVの1.15倍の血漿処理量が必要であり,フィブリノゲン(Fibrinogen:Fib)はPEでは64%,DFPPでは75%除去される。PEはDFPPと比較して,必要血漿処理量ならびにFib除去を有意に低く抑えることができるため,抗体除去を目的にアフェレシスを施行する場合,手技的に簡便なAlb溶液を用いたPEも1つの選択肢になりうる。