日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
原著
アルブミン溶液を用いた血漿交換療法(PE)と二重濾過膜血漿交換療法(DFPP)の溶質除去について
大久保 淳倉島 直樹前田 卓馬宮本 聡子中村 紋子瀬島 啓史岡戸 丈和頼 建光
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2014 年 5 巻 1 号 p. 45-50

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抄録

救急集中治療領域において急性血液浄化療法は広く施行され,アフェレシス療法も重要な一角を担っている。とくに自己免疫疾患などの急性増悪時には,血漿交換療法(Plasma Exchange:PE)や二重濾過膜血漿交換療法(Double Filtration Plasmapheresis:DFPP)が施行されている。置換液にアルブミン(Albumin:Alb)溶液を用いたPEとDFPPを比較すると,自己抗体が存在するIgGを65%除去する場合,PEでは循環血漿量(Plasma Volume:PV)の0.9倍,DFPPではPVの1.15倍の血漿処理量が必要であり,フィブリノゲン(Fibrinogen:Fib)はPEでは64%,DFPPでは75%除去される。PEはDFPPと比較して,必要血漿処理量ならびにFib除去を有意に低く抑えることができるため,抗体除去を目的にアフェレシスを施行する場合,手技的に簡便なAlb溶液を用いたPEも1つの選択肢になりうる。

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© 2014, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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