日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
当科における小児血漿交換療法63例の報告
山上 雄司中條 悟高原 賢守菅 健敬大場 彦明大西 聡川原 弘樹
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キーワード: 小児, 血漿交換, 川崎病
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2015 年 6 巻 1 号 p. 67-70

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抄録

当科では2007年12月に血漿交換療法(PE)を開始し,2013年8月までに63症例(男児41例/女児22例,月齢29.5±20.1ヵ月)に施行した。疾患内訳はγグロブリン不応性川崎病が51例と全症例の約8割を占め,その他肝不全,敗血症に伴う多臓器不全,若年性特発性関節炎などに施行した。平均施行回数は4.0±1.2回/症例,平均血液流量は60.0±13.3mL/minであった。当科のPEの特色として全身麻酔を含めPEに関連する一連の管理を単一科内で一貫して行う体制を整えており,迅速な施行が可能となっている。また,症例を積み重ねるなかで見出された小児特有の課題に対し改善を重ね,バスキュラーアクセスの確保,回路のプライミング,施行条件,抗凝固薬,鎮静など,現在の施行方法に至った。今後もPE対象症例は増加傾向となることが見込まれ,より安全かつ迅速なPEを目指していく。

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© 2015, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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