日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
甲状腺クリーゼ,心肺停止蘇生後に伴う多臓器不全に対し血漿交換が奏効した1例
日髙 寿美持田 泰寛真栄里 恭子石岡 邦啓岡 真知子守矢 英和大竹 剛靖小林 修三
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2015 年 6 巻 1 号 p. 63-66

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抄録

50歳女性。3年前より発汗過多,1ヵ月前より両下腿浮腫,水様性下痢,呼吸苦を認めたため受診した。FT3 17.1pg/mL,FT4 6.87ng/dL,TSH<0.01μIU/mLより,甲状腺クリーゼと診断した。検査中に心肺停止状態となり蘇生にて心拍再開したが,呼吸・循環動態が安定せず,大動脈内バルーンパンピングや経皮的心肺補助装置の留置でも十分な昇圧が得られなかった。そのため,甲状腺ホルモン除去を目的として血漿交換療法(plasma exchange:PE)および持続血液濾過透析を施行した。1回目のPEでFT3は6.8から4.7pg/mL,FT4は4.29から2.49ng/dLと低下し,ノルアドレナリンの投与量を減量したが,末梢血管抵抗指数は636から816dyne・sec・m2/cm5と上昇し収縮期血圧は150mmHgに改善した。甲状腺クリーゼに伴う末梢血管抵抗の減弱による循環動態悪化に対しPEが著効した。

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© 2015, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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