2015 年 6 巻 2 号 p. 107-114
HMGB1は敗血症,多臓器不全,DICなどの重症病態において,エンドトキシン同様にToll-like receptorのアゴニストとして働き,炎症と凝固のクロストークの中心的役割を有する。われわれは,血中HMGB1の主たる代謝経路における腎臓ではなく,その制御としていわゆるnon-renal indicationが重要であると考える。敗血症性ショックにおいて,PMX-DHPはエンドトキシンや内因性大麻を直接的に吸着し,循環動態を改善させるとともに,活性化単核球の直接的吸着も介して間接的にIL-6やHMGB1などの血中サイトカインレベルを低下させ,肺酸素化などを改善するとされる。しかし,PMX-DHPによるHMGB1の直接的な吸着,制御の可能性については,われわれの検討では否定的と考える。一方,DIC治療薬であるリコンビナントトロンボモジュリン (rTM)は直接的なHMGB1抑制作用を有する。したがって,すでに高HMGB1血症を呈しうるDICを併発した敗血症性ショックにおける,PMX-DHPとrTM併用療法は,多方面からHMGB1を制御し,患者生命予後の改善につなげることができると考える。