【目的】新生児集中治療室(NICU)における急性腎障害(AKI)の発症頻度と予後を検討した。【方法】2007年9月~2010年8月に当院NICUに入院した1,059例を対象とした。対象を, 超低出生体重児 (ELBW) 117例, 極低出生体重児 (VLBW) 96例,低出生体重児 (LBW) 453例,その他 393例の4群に分け,AKI発症率・発症因子と腎代替療法施行率,死亡率を,診療録を用いて後方視的に調査した。AKIの定義はproposed neonatal AKI分類を用いた。【結果】AKI発症率は14.8%,低体重児ほど有意に高率であった。腎代替療法の施行率は1.2%,低体重児ほど有意に高率であった。死亡率はAKI患者で有意に高値であった(AKI 18.5%,non-AKI 1.8%)。ELBWとVLBWでは死亡率に差はなかった。【結論】未熟児・新生児のAKI発症率は高く,AKIの死亡率は有意に高かった。一方でELBWとVLBWでは,AKIと死亡率に関連はなかった。