2016 年 7 巻 1 号 p. 86-91
【目的】腎代替療法を要した重症敗血症/敗血症性ショックに対して栄養管理プロトコールを導入し,結果と課題を検討した。【方法】生存群(A群:32例)と死亡群(D群:16例)を比較した。【結果】経腸栄養(EN)開始時間に差はなかった。10日目のエネルギー充足率と蛋白量は,A群:111.9±11.7%(EN:93.7±18.6%)と1.3±0.2g,D群:112.4±19.9%(EN:86.0±28.4%)と1.3±0.4gで差はなかった。累積水分バランスはD群で有意に高く(p<0.001),続発性感染率はD群で高い傾向(p=0.068)だった。D群は14日目で総蛋白量とアルブミン値が有意に低く,CRP値と白血球数が有意に高かった。【まとめ】栄養管理プロトコールにより,重症度に関わらずEN主体で栄養量を充足できた。