急性血液浄化を必要とするような病態では多職種が集まって多様な医療行為が行われるが,最初に指示するのは医師の役割である。医師は複数の医療チームをまとめるリーダーとなる場面が多く,チームによって医師は「ベテラン」にもなれば「場の新人」にもなりうるが,円滑な情報共有が現場運営の鍵である。TeamSTEPPS®では,①リーダーシップ,②状況モニタリング,③相互支援,④コミュニケーションの4つの主要技能が重要視されている。一方,電子カルテにより情報共有度が飽和してかえってコミュニケーション・エラーを引き起こしている可能性も指摘されている。WHO患者安全カリキュラムガイドを参考にして,異職種間だけではなく同職種間でも患者を中心としたコミュニケーションを推進し,院内で標準化された手順書などを用いた院内教育を継続することが急性血液浄化療法を安全に施行管理し,ヒューマンエラーを減少させるために重要と思われる。