2017 年 8 巻 1 号 p. 80-83
Severe fever with thrombocytopenia syndrome(SFTS)は,2006年に中国で新たに発見されたSFTSウイルスによるダニ媒介性の新興感染症であり,2013年より日本においても症例報告が増加している。早期にサイトカイン除去を目的としたAN69ST-CHDFを含む集学的治療が奏効し意識障害が改善した血球貪食症候群を合併したSFTSの2例を経験したので報告する。症例1と症例2はともに意識障害が出現しICUに入室しAN69ST-CHDFを含む集学的治療にて意識障害は改善した。早期にAN69ST-CHDFを含む集学的治療を行うことで病態制御が可能であったと考えられた。