日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
総説
スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症そして抗糸球体基底膜抗体病に対する選択的血漿交換法
大久保 淳倉島 直樹山本 裕子山本 素希前田 卓馬宮本 聡子板垣 紋子瀬島 啓史岡戸 丈和
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 9 巻 2 号 p. 99-104

詳細
抄録

急性血液浄化療法としてのアフェレシス療法は,スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症そして抗糸球体基底膜病における治療としても幅広く施行されている。例えば,肺胞出血を伴う抗糸球体基底膜病に対してアフェレシス療法を施行する場合には,凝固因子を補充するため置換液に新鮮凍結血漿を用いた単純血漿交換法が施行されることが多い。しかし大量の新鮮凍結血漿の使用が必要であり,アレルギーを含むさまざまな合併症のリスクも高くなる。近年,置換液にアルブミン溶液を用いても凝固因子を保持することが可能であり,かつ免疫グロブリンG以下の分子量の病因物質を効率よく除去することが可能である選択的血漿交換法が注目されている。本稿では,スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症そして抗糸球体基底膜病に対する選択的血漿交換法について概説する。

著者関連情報
© 2018, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top