2018 年 9 巻 2 号 p. 99-104
急性血液浄化療法としてのアフェレシス療法は,スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症そして抗糸球体基底膜病における治療としても幅広く施行されている。例えば,肺胞出血を伴う抗糸球体基底膜病に対してアフェレシス療法を施行する場合には,凝固因子を補充するため置換液に新鮮凍結血漿を用いた単純血漿交換法が施行されることが多い。しかし大量の新鮮凍結血漿の使用が必要であり,アレルギーを含むさまざまな合併症のリスクも高くなる。近年,置換液にアルブミン溶液を用いても凝固因子を保持することが可能であり,かつ免疫グロブリンG以下の分子量の病因物質を効率よく除去することが可能である選択的血漿交換法が注目されている。本稿では,スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症そして抗糸球体基底膜病に対する選択的血漿交換法について概説する。