日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
カルボニルストレス性統合失調症の病態に関する研究
新井 誠宮下 光弘市川 智恵菊池(二本松) 尚美楯林 義孝岡崎 祐士宮田 敏男糸川 昌成
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2012 年 23 巻 2 号 p. 115-120

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抄録
カルボニルストレス性統合失調症の症例において,ペントシジン,ビタミンB6といった分子マーカーやグリオキサラーゼの遺伝子型は早期の診断と病態の把握に有用である。また,カルボニルスカベンジャーとして機能するピリドキサミン(活性型ビタミンB6)は,カルボニルストレス性の症例,グリオキサラーゼ遺伝子に希少変異をもつ症例の病態に根ざした治療薬として,また,顕在化の予防を目指した新たな介入法となることが期待される。本稿では,「カルボニルストレス」を軸としたトランスレーショナルリサーチの自験例を紹介し,統合失調症の治療・予防薬の創出に向けた将来的な展望についても述べた。
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© 2012 日本生物学的精神医学会
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