2012 年 23 巻 3 号 p. 217-224
京都大学医学研究科は,滋賀県長浜市と市民の協力を得て「ながはま0次予防コホート事業」を 2005年に開始した。本事業は,大学が推進する予防医学研究と,市や市民が中心にすすめる健康づくりで構成され,研究成果を利用した市民への還元が大きな特徴である。2010 年に 10,082 人の参加者を獲得し,全員の環境・生活習慣情報,バイオマーカー情報を蓄積し,加えて全ゲノム解析や血中の代謝物の網羅的解析を開始した。本稿では,ながはまコホートの全体像を概説する。