日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
23 巻 , 3 号
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  • 笠井 清登
    2012 年 23 巻 3 号 p. 163
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
  • 高橋 英彦
    2012 年 23 巻 3 号 p. 165-170
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    伝統的な経済学では意思決定者は個人の利得を最大限になるように“合理的”に振舞うと想定してきた。しかし,実際の人間は,時に“非合理”あるいは“限定的に合理的”な意思決定を行い,情動・同情・モラル・使命感なども意思決定に重要な役割を担っているということが行動経済学・実験経済学で実証的に示されている。これまでのfMRIを用いた神経経済学において“非合理”あるいは“限定的に合理的”な意思決定には,情動反応などにかかわる皮質下の脳部位が重要な役割を担っていることがわかってきた。次のステップとしては,この脳内過程における神経伝達物質(ドーパミン,ノルアドレナリンなど)のかかわりを理解する必要がある。最近の著者らの分子イメージングによる情動的意思決定と神経伝達物質との関係を検討した研究を中心に概説する。
  • 吉村 晋平
    2012 年 23 巻 3 号 p. 171-176
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    認知行動療法は非機能的な認知や感情の障害に働きかける精神療法である。認知行動療法はうつ病をはじめとして様々な精神疾患に対する有効性が確認されており,標準的な治療として普及しつつある。しかし,認知行動療法がどのような生物学的な作用機序を持つのかはほとんど明らかになっていない。近年の脳機能画像研究の発展は認知行動療法が脳活動に与える影響を検討することを可能にしており,うつ病を中心として報告が増えつつある。本稿では近年の認知行動療法の脳機能画像研究の動向を要約し,認知行動療法が脳機能に与える影響について論考する。
  • 兼子 幸一
    2012 年 23 巻 3 号 p. 177-184
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    統合失調症圏に対する認知矯正療法の一手法 Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation(NEAR)の6ヵ月間の実践が脳機能に与える効果について,作業記憶課題施行時の脳血液量変化を指標として,近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)を用いて予備的検討を行 った。16名の統合失調症または統合失調感情障害の患者に対して,NEARは左右背外側前頭前野,左腹外側前頭前野,左右前頭極部で,作業記憶課題に関連する[oxy-Hb]活性化の程度を増した。 NEAR前後の作業記憶課題関連の[oxy-Hb]活性化の増加程度と,言語記憶および語流暢性の改善度とがそれぞれ正の相関を示すことが,主に右半球の皮質領域で認められた。これらの結果から, NEARが脳血液量変化の増大という生物学的効果を介して神経認知機能を改善する可能性が示唆された。
  • 松澤 大輔, 清水 栄司
    2012 年 23 巻 3 号 p. 185-191
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    不安障害に対しては薬物療法と共に,認知行動療法(CBT)が治療の選択肢にあるが,いずれも効果が高い一方で,恩恵に預かれない患者も多いなど,個人差が大きく,治療後にも再燃/再発がしばしば認められる。その個人差の背景には何らかの生物学的因子があるはずである。本稿では,その背景を,1つには繰り返しの知覚刺激を減弱する脳の感覚ゲート機構という脳の生理学的応答の違いから論じた。指標としたのは,事象関連電位P50である。強迫性障害を対象に測定したP50 は,脳内感覚ゲート機構の障害を示しており,病態生理に関連があることを示唆している。もう1つには,恐怖や不安の消去学習を,恐怖条件付けを用いた動物モデルから解説し,消去学習を促すためのcongnitive enhancer の可能性をD-cycloserine を代表例にして紹介する。
  • 中尾 智博
    2012 年 23 巻 3 号 p. 193-199
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    強迫性障害(OCD)に対して,行動療法とSSRIによる薬物療法が有効であることが知られているが,これらの治療がどのような機序で症状の改善をもたらすのかについてはまだ不明な点が多い。しかし近年PET や SPECT,fMRIを用いた脳画像研究の進歩によってこれらの治療法による脳の機能的変化を調べることが可能となり,薬物療法,行動療法はともに脳の活動に影響を与え,前頭眼窩面,尾状核といった部位の過剰な賦活が症状改善後に正常化することがわかってきた。両治療法の脳機能修復プロセスの差異についてはなお不明な点が多く,今後の研究が待たれる。脳画像研究の結果はOCDの病態に関与する脳部位の神経連絡を考慮に入れたOCD─ loop仮説へと結実し,現在は当初考えられた前頭葉─皮質下領域に加え,辺縁系,頭頂後頭葉,小脳などを加えた広範な神経ネットワークの異常がOCDの情動,認知の障害に関与すると推測されている。さらに今後は疾患内における病態の多様性を考慮した神経ネットワークモデルの構築が必要となってくると思われ,OCDの病態理解と治療戦略構築のために画像研究が果たす役割は大きい
  • 島田 隆史, 金生 由紀子, 笠井 清登, 佐々木 司
    2012 年 23 巻 3 号 p. 201-204
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    近年行われた大規模な双生児研究から,自閉症スペクトラム障害(ASD)において早期環境要因の関与は従来考えられていたよりも大きい可能性が示唆された。一方で,ASDをはじめとする,発達障害の有病率増加が問題となっており,それにはpopulation全体に影響するような環境要因が加わっている可能性が考えられる。そのような環境要因として,近年増加の一途をたどっている高齢出産や,それに伴う体外受精や顕微授精といった生殖補助医療(ART)の増加など,受精―妊娠に関わる環境の変化が候補に挙がる。これまでに,ART とASDとの関連ついての研究が複数行われているが,相反する結果が報告され,その関連は明らかでない。また注意欠如/多動性障害とARTについては,弱いながらも有意な関連を認めるとする報告がある。1990年代以降,わが国で急激に増加してきているARTは,自然妊娠とは異なり人の手が加わり,特に胚操作の時期とエピゲノム形成や初期の体細胞分裂の時期が重なることからも,発達障害を含めたART児の長期的なフォローアップ調査は重要である。このような研究から,ARTが更に安全な治療法として発展することが望まれている。
  • 中村 由嘉子, 國本 正子, 尾崎 紀夫
    2012 年 23 巻 3 号 p. 205-210
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    うつ病の発症には,遺伝要因と環境要因の相互作用が関与すると考えられている。そのため,うつ病の病因・病態の解明には,環境因子を加味したゲノム解析(すなわちゲノムコホート研究)が必須である。しかし一般のうつ病では,発症のきっかけとなるストレッサーの同定が困難であるなど多数の課題が存在し,それが研究の実施を困難にしてきた。一方,産後うつ病は,妊娠・出産という共通したストレッサーが発症のきっかけである,短期間で結果が確認可能であるなど,コホート研究実行上の利点を有している。産後うつ病は,母親のQOLの低下や自殺リスクの上昇に加え,児の養育環境にも悪影響を与える。よって効果的な予防および治療法の確立が急務である。そこで我々は,産婦人科を受診した妊婦を対象とした前向きゲノムコホート研究を行っている。これまでのところ約600名の同意を得ており,現在も対象者数を増やして研究を遂行中である。本稿では,うつ病研究におけるゲノムコホート研究の重要性とともに,我々が行っている研究成果の一部を紹介する。
  • 小原 知之, 神庭 重信, 清原 裕
    2012 年 23 巻 3 号 p. 211-216
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    福岡県久山町では 1985年より精度の高い老年期認知症の疫学調査が進行中である。1985 ~2005 年に 65歳以上の高齢住民を対象に4回行った時代の異なる認知症の有病率調査の成績を比較すると,久山町では,時代とともにアルツハイマー病(AD)の有病率は有意に増え,減少傾向にあった脳血管性認知症(VaD)の有病率も近年増加に転じた。非認知症集団の追跡調査の成績から,65 ~89歳の認知症発症群と性・年齢を対応させて無作為に抽出した認知症非発症群の生存曲線を比較すると,認知症群の生存率は有意に悪かった。危険因子の検討では,老年期の高血圧はVaD発症の有意な危険因子であり,中年期に高血圧であった群は老年期の血圧レベルにかかわらずVaDの発症リスクが有意に高かった。一方,耐糖能異常/糖尿病はVaDとともにAD発症の有意な危険因子であり,特に負荷後2時間血糖値の上昇にともないVaDおよびADの発症リスクは有意に上昇した。
  • 松田 文彦
    2012 年 23 巻 3 号 p. 217-224
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    京都大学医学研究科は,滋賀県長浜市と市民の協力を得て「ながはま0次予防コホート事業」を 2005年に開始した。本事業は,大学が推進する予防医学研究と,市や市民が中心にすすめる健康づくりで構成され,研究成果を利用した市民への還元が大きな特徴である。2010 年に 10,082 人の参加者を獲得し,全員の環境・生活習慣情報,バイオマーカー情報を蓄積し,加えて全ゲノム解析や血中の代謝物の網羅的解析を開始した。本稿では,ながはまコホートの全体像を概説する。
  • 林 拓二
    2012 年 23 巻 3 号 p. 225-226
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
  • 前田 潔
    2012 年 23 巻 3 号 p. 227
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
  • 新井 誠
    2012 年 23 巻 3 号 p. 229-230
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
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