日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
統合失調症患者の聴覚皮質における位相振幅カップリング ─脳波研究─
平野 昭吾Alexander Nakhnikian平野 羊嗣織部 直弥神庭 重信鬼塚 俊明Margaret LevinKevin M Spencer
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2020 年 31 巻 3 号 p. 123-126

詳細
抄録
脳波の周波数は種々の脳機能を表現しており,脳波の異なる周波数間の相互作用は異なる脳機能の相互作用を表現していると考えられている。筆者らは18名の統合失調症患者(SZ)と18名の健常者群(HC)の脳波データの再解析を行い,聴覚野における位相振幅カップリング(PAC:Phase‐amplitude coupling)を検討した。PACは40 Hz聴性定常反応(ASSR)のベースライン時(ASSRベースライン時)と安静時において算出された。結果として,安静時よりもASSRベースライン時により強いβ/γ PACを認め,ASSRベースライン時よりも安静時により強いα/β PACを認めたが,有意な群間差は認めなかった。また,SZにおいてはHCより強いθ/α PACを認めた。HCにおいては右半球よりも左半球にてより強いθ/γ PACが認められたが,SZにおいては同様な半球間差を認めなかった。
著者関連情報
© 2020 日本生物学的精神医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top