抄録
筆者らのグループは,2018年第40回日本生物学的精神医学会年会(神戸)において,「双方向から考える腸脳相関〜腸内フローラと気分の関係〜」と題して,精神疾患における腸内細菌のシンポジウムを国内で初めて開催した。それ以来,第42回,第44回日本生物学的精神医学会年会において同様の内容でシンポジウムを開催して,今回で4回目のシンポジウムになる。この間,生物学的精神医学会(Society of Biological Psychiatry:SOBP)において,精神疾患における腸内細菌に関するシンポジウムは,2018年第73回大会(New York)で「The Gut Microbiome‐Brain Connection:Implications for Neurodevelopment and Psychiatric Disorders」と題して1度開催されたのみである。また,精神疾患における腸内細菌に関する論文数は,2020年以降年間500本程度で停滞傾向であったが,一昨年以降急増している(PubMedによる検索)。2024年2月28日に発刊されたJAMA Psychiatryの巻頭において,「Are Psychiatric Disorders Brain Diseases?─A New Look at an Old Question」という文章が掲載された。ここでは腸内細菌には触れられていないが,腸脳連関を念頭におきつつ,精神疾患における腸内細菌に関する最新の知見をレビューなどにより紹介する。