抄録
本研究の目的は自律的−統制的動機づけの枠組みから,高齢者の通所介護利用動機づけを測定する尺度を作成
し,動機づけと well-being の関連を検討することであった。通所介護利用者を対象とした聞き取り調査から
動機づけを測定するための 54 項目を選定した後,463 名の通所介護利用者に質問紙を配布し,回収した回答
のうち 233 名(Mage=82.13, SD=7.30)を有効回答として分析に用いた。54 項目について探索的因子分析
を行ったところ,「対人関係と内発的興味」,「身体機能や日常生活の改善」,「不活発さの補償」,「不安・孤立
状態の解消」,「周囲の人からの勧め」という 5 つの因子が抽出された。このうち前者 4 つは自律的動機づけ,
最後の 1 つが統制的動機づけとして位置づけられた。次にこれらの動機づけと well-being の関連を検討した
ところ,「対人関係と内発的興味」,「身体機能や日常生活の改善」が well-being と関連し,自律的な動機づけ
プロフィールを有している方が他のプロフィールより well-being の得点が高いことも確認された。本研究の
結果から,高齢者の well-being を促進するためには,高齢者の自律的動機づけを支援することが重要である
ことが示唆される。