抄録
目的:高齢慢性心不全患者へのセルフモニタリングをサポートする遠隔看護介入モデルの実践での看護師と患者のやり取りに着目し、その変容の分析を通して患者のセルフモニタリングの獲得状況について検証する。
方法:遠隔看護介入全15回(12か月)の患者3名分のビデオ通話記録における、健康状況把握のための所定のチェック項目に関する基本的なやり取りを主な分析対象とした。遠隔看護介入モデルでの【自覚を促す・解釈を助ける】に関わるやり取りの度合いの評価のために、レベル尺度による評価基準を導入し評価した。このレベル尺度をチェック項目毎のやり取りに適用し、介入初盤6回(3か月)と終盤4回(4か月)での比較を行った。
結果:分析の結果、【自覚を促す・解釈を助ける】に関わるやり取りは初盤に多く見られ、終盤には減少していた。これについては各レベルの出現頻度の独立性と平均値の差の検定により、顕著な有意差が確認された。それに伴い、介入時間も初盤より終盤のほうが短い傾向が見られた。
結論:以上より、患者のセルフモニタリングの向上が介入記録に基づく詳細な分析によって検証できた。本研究での遠隔看護介入モデルは、高齢慢性心不全患者のセルフモニタリングを実現するうえで、実効的なアプローチであるといえる。