2019 年 60 巻 2 号 p. 180-190
近年,スマートフォンの普及によって,児童・青年にとってインターネットやゲームの使用がより容易になってきた。インターネット嗜癖は学業不振を招き,不登校からひきこもりへと発展する場合がある。ひきこもり支援においては家族支援または個人療法に始まり,社会参加に向けて,居場所支援から学習・就労支援へと段階を踏む。一方で,インターネット嗜癖は発達障害との関連が示唆され,その治療には認知行動療法や治療キャンプなどが取り入れられている。しかし,地域によっては治療可能な医療機関が十分と言えないのが現状である。本稿では,ひきこもりとインターネット嗜癖との関連についての文献を概説し,地域での筆者の取り組みについて報告する。