臨床化学
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イムノリポソームによる補体活性測定法の開発とその臨床応用
岸村 昌明福田 秀樹加藤 滋雄谷口 洋
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1994 年 23 巻 3 号 p. 228-235

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抄録
ウサギγ-グロブリン (RGG) 結合リボソームと抗RGG抗体を用いて, 補体系の総合的な活性と第2経路の活性を簡便に測定する方法を開発した。このリボソームと補体の反応は, 従来の溶血法と同様, von Kroghの式で表わすことができ, 再現性において満足できる結果が得られた。また, 本法の総合活性測定系および第2経路活性測定系と従来のMayer法との間の相関係数は, それぞれr=0.555および0.351であった。健常者の補体活性を本法と従来法で測定した結果, 本法の総合活性測定系と従来法においては加齢とともに補体活性の上昇がみられたが, 本法の第2経路活性測定系においては年齢による補体活性の変動はみられなかった。さらに, 糖尿病患者の補体活性を測定したところ, 本法では糖尿病患者群が健常者群より低い補体活性を示したが, 従来法では有意差はみられなかった。以上より, 本法による補体活性測定は新しい臨床的指標になると考えられた
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© 日本臨床化学会
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