臨床化学
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特異的なモノクローナル抗体を用いたエンザイムイムノアッセイによる人尿中メバロン酸の測定
平松 真林 昭夫浜中 信行杉山 正康清水 浩菅野 剛史
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1995 年 24 巻 2 号 p. 94-100

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抄録

メバロン酸類縁体を合成し, ハプテンとしてキャリア蛋白に結合し, これを抗原としてマウスに感作しメバロン酸に対して特異的なモノクローナル抗体を得た。この抗体と, ペルオキシダーゼでの標識抗原を用いてメバロン酸のエンザイムイムノアッセイ (EIA) の系を確立した。測定範囲は1.5~170pmol/test (IC50=15pmol/test) であった。また, 生体中に含まれるメバロン酸類似物との交差反応は0.001%以下となり極めて高い特異性が得られた。正常男子 (n=9) にヒドロキシメチルグルタリルーCoA (HMG-CoA) リダクターゼ阻害剤であるプラバスタチンを投与し, その尿中メバロン酸をこの系を用いて定量すると, 全例でメバロン酸値は低下した。このEIAで得られた人尿中メバロン酸の測定値は, より基本的なメバロン酸キナーゼを利用したラジオエンザイム法での測定値との相関において良好 (r=0.969) な結果が得られた。

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