抄録
硫酸化コレステロールは, 皮膚の角質層の脂質成分として発見され, 皮膚の分化や生体を病原微生物から保護するバリヤーの形成に重要な役割を果たしていると考えられてきた。しかし, 長年どのようにして生成されるかは分からなかった。2001年, 我々はコレステロールと硫酸基供与体から硫酸化コレステロールを生成する酵素として, コレステロール硫酸転移酵素(SULT2Blb)を発見し, これが皮膚や皮膚の初代培養細胞に強く発現していることを明らかにした。また, コレステロール硫酸転移酵素は7-ケトコレステロールを含め, いくつかの酸化コレステロールをも硫酸化し, 特に細胞毒性の強い7-ケトコレステロールを硫酸化して無毒化することも明らかにした。最近, 脂質代謝に関連するタンパク質の制御に関わる核内受容体と酸化コレステロールの硫酸化との関係が報告され, 硫酸化が脂質代謝を制御している可能性が示唆されている。