AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
画像情報を用いた機械学習手法による桟橋の残存耐力評価に関する研究
宇野 州彦白 可岩波 光保
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 1 巻 J1 号 p. 132-141

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抄録

港湾構造物は一般に塩害に対して厳しい環境下におかれるが,劣化した桟橋の残存耐力を評価する研究はほとんど行われていない.著者らはこれまでに,劣化度判定結果を用いた桟橋の残存耐力評価手法を提案し,汎用の構造解析プログラムにより残存耐力評価を行うことを可能とした.一方で,多数の桟橋の維持管理優先度を決定するためには,構造解析を必要としないさらに簡易な残存耐力評価手法も望まれている.そこで本研究では,桟橋の損傷面積率と損傷分布を推定する人工知能技術を導入した残存耐力評価手法を提案した.しかしここで提案する手法は,予測対象桟橋を画像情報として読み込む際に,学習モデル構築の際に用いた桟橋の種類によっては,予測対象桟橋の桟橋形状を正しく認識することが困難な場合があり,実際と異なる桟橋形状が出力されてしまう事象がある.そこで各梁の配置状況を考慮した新しい手法を考案した.本手法により桟橋形状が適切に出力され,精度良く損傷を推定できることが示された.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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