2020 年 1 巻 J1 号 p. 142-150
CT(Computed Tomography)で撮影された体内の画像は,患者の疾患レベルを判断する重要な資料であり,実務において広く応用されている.しかし,現状では,専門医が患者一人につき数十枚の画像を目視で判定しており,非常に手間がかかると同時に客観性に欠ける.そこで本研究では,間質性肺炎の患者の胸部CT画像を対象として,機械学習により患者の疾患レベルを評価し,診断をサポートするシステムを構築する.具体的には,対象とするCT画像から患部である肺領域を抽出する画像処理手法を提案し,肺領域の画像データから患者と健常者を区別するための指標を提案する.最後に,深層学習を応用し,CT画像中の患部を認識し,疾患レベルを実務で用いられている6段階に分類するネットワークを構築する.