2020 年 1 巻 J1 号 p. 180-189
現在,わが国では,持続可能な社会を実現するために道路をはじめとする社会基盤構造物の維持管理業務が重要視されている.しかし,地方自治体では,行政改革による公共事業費の削減や少子高齢化による土木技術者の不足が問題視されており,近年発展している AI技術やセンサ技術により,従来の業務に代わる効率的な維持管理システムの開発が期待されている.
そこで本研究では,地方自治体における道路管理者による路面維持管理の業務効率化を目的とし,AI技術のうち深層学習により,ハイビジョンカメラの走行映像から,平たん性に影響を及ぼす変状の自動検出を試みる.そして,既往研究で開発されてきた加速度センサーと走行映像による舗装路面簡易評価システムと組み合わせることで,変状機能の適用による路面性状評価の有用性を確認した.