2020 年 1 巻 J1 号 p. 286-294
2019年9月9日未明に襲来した令和元年台風15号により,千葉県南部を中心に甚大な被害をもたらした.広域に渡る災害の場合,自治体が被害状況を集約し,さらに県,国が情報集約して復旧にあたる必要がある.しかし台風15号では大規模および長期化した停電の影響により,地方自治体での情報集約が困難であったため復旧速度に大きな影響を与えた.そこで本研究では将来の巨大台風に備えるために千葉県南部地域を対象として,台風15号の多種多様な被害状況を集約し,異種情報を統合することによって調査・解析した.これにより,住宅等の罹災(りさい)証明書の手続きには被災から申し込み手続きまでにタイムラグがあることがわかった.さらに時系列予測可能な深層学習によって,市役所等の申し込み窓口の混雑予測を行った結果について報告する.