2020 年 1 巻 J1 号 p. 313-319
建設現場を撮影した映像から,AIを用いて施工のサイクルタイム等の施工管理に必要な情報を抽出する技術の開発が行われている.筆者らは,現場の出来高管理の高度化を目的として,AIを用いて現場映像から建設機械を自動検出するシステムを開発した.このシステムを現場で運用した結果,検出誤差は建設機械を目視判読した結果と比較して±14%程度となった.このような検出精度の実現にはAIに入力する学習データの量や建設機械の向きの偏りが大きな影響を与えている.そこで「ラベル数」と「建設機械の向き」に着目し,学習データが検出誤差に与える影響について検討した.その結果,無作為に学習データを揃えるのではなく,ある一定のルールを設定して学習データを作成することで,より少ない学習データで検出精度を向上させることができる可能性を示した.