2020 年 1 巻 J1 号 p. 445-452
斜面の現地計測データを有効活用して豪雨時の斜面崩壊の発生予測を行うためには,陣雨量から土中水分量を予測できるモデルが必要である.本研究では,体積含水率の現地計測データを予測するための手法としてのリカレントニューラルネットワークの適用性の確認を目的として,通常の降雨時における現地計測データに基づいてモデルを推定し,より強い降雨時の現地計測データに対する予測性能について検証した.その結果,データ同化手法を適用して推定された浸透解析モデルを用いた解析結果よりは予測性能が低いものの,リカレントニューラルネットワークを用いた場合の解析結果は十分な精度で現地計測データを再現できており,リカレントニューラルネットワークが体積含水率の現地計測データを予測するための手法として有効であることが明らかになった.