2020 年 1 巻 J1 号 p. 465-472
我が国の約70万橋の橋梁が老朽化するなか,5年に1回の橋梁点検を持続可能にすることが根本的な課題となっている.点検から措置までのサイクルをペースアップするため,ばらつきを抑え一貫性のある健全度判定を行い,数値指標を用いた補修工法の選定が求められている.本稿では,橋梁部材の損傷画像から損傷の特徴を抽出するために,床版ひび割れの画像とその教師ラベルを対象に,セマンティック・セグメンテーションにより,損傷の特徴抽出に有用な領域検出器を学習し,劣化指標を自動計算する手法を提案する.最後に,橋梁点検支援ツールの汎用化の課題に言及する.(264字)