2020 年 1 巻 J1 号 p. 536-544
列車の走行安全性や乗り心地の向上のためには,軌道管理が重要である.軌道の異常の一つである,浮きまくらぎは,短波長で動的な変状であるため,軌道検測車からの検測が難しく,目視による検査も多くの問題を抱えている.これらの問題点を解決するために,本研究では,列車の振動計測データを対象とした,非線形性の強い時系列の予測でも有効なLong Short-Term Memory (LSTM)と,予測の不確実性を推定できるモンテカルロドロップアウトに基づく,浮きまくらぎ検知手法を提案した.そして,提案手法を数値シミュレーションのデータに対して適用し,検知性能を検討した.提案手法により,既往手法と比べて性能が改善し,2本以上の浮きまくらぎならば高精度に検知できた.