2020 年 1 巻 J1 号 p. 86-91
橋梁定期点検における点検診断員の不足や維持管理コストの増加に対処するために,AI技術を活用した点検の効率化が進められている.現状の点検業務の効率化を支援するためには,点検マニュアルが対象としている様々な損傷の種類・評価基準に対応した汎用的な AIモデルが求められる.本研究では,汎用的かつ高精度な損傷程度評価モデルを構築するために,損傷程度評価と関連性が高い損傷分類とのマルチタスク学習を提案した.一般的なマルチタスク学習に加えて,注意機構を用いてタスク間の関連性を明示的に考慮可能なマルチタスク学習手法を提案し,長崎県の橋梁維持管理データを用いて提案手法の有効性を検証した.