2021 年 2 巻 J2 号 p. 314-323
地震災害は規模が広域化するほど被災者ニーズの収集が難しくなり,細やかな被災者支援の実現も困難を極める.また,地震災害が甚大化するほど携帯電話,防災アプリ等の使用が困難になることが知られている.筆者らは SAR衛星が観測可能かつ後方散乱係数が異なる複数のリフレクタを開発し,大規模地震災害発生直後に被災者に設置していただき,存在位置・ニーズを把握する仕組みの提案を行っている.本研究では,物体検出アルゴリズム YOLOv5及び時系列SAR画像を用いた異常検知手法を組み合わせることにより,広範囲SAR画像の中に観測されたリフレクタを検出する手法の提案を行う.本研究における分析を通して,10×10kmのSAR画像に観測された9個のリフレクタに対して,8地点で検出が可能となった.