2021 年 2 巻 J2 号 p. 324-332
近年わが国では,頻発する大規模災害において避難行動要支援者が被災することが多く,大規模災害発生時にどのように避難行動要支援者の避難行動支援を行うかが課題となっている.特に河川氾濫などの,時間経過に伴い被害が大きくなる災害時には迅速な避難行動が要求される.そこで本研究では,石川県小松市における梯川の氾濫を想定し,自動運転自動車を用いて避難行動要支援者の移動に関する支援を行った際のシミュレーションを行い,乗車時間,呼びかけ時間,準備時間から避難に要する時間を算出した.その後一人当たりの乗車時間,呼びかけ時間,準備時間を変化させた場合の所要時間の変化から,自動運転自動車を用いて避難支援を行う際の所要時間には乗車時間や準備時間などの避難者の行動が大きく関係することが得られた.