2021 年 2 巻 J2 号 p. 333-340
わが国では,土木分野の各段階の情報を 3次元モデルに集約する BIM/CIMの導入が進んでいるが,既設構造物の 3次元モデルの生成には多くの労力を要する.特に維持管理では,損傷の把握や補修補強で活用するためには高い詳細度が必要となる.このような場合,レーザや写真から生成される点群情報は構造物の現状に即して詳細なモデルを得られる可能性がある.本論文では,維持管理や保全業務での 3次元モデルの現状を把握し,技術開発や普及の課題について考察する.具体的には,点群データ取得方法の概要を述べ,実用化されている技術について調査し,構造分野における課題と将来像について述べる.さらに, 3次元モデルの高度活用のために,構造解析可能な 3次元モデルへの変換に関する研究動向についても述べる.