2021 年 2 巻 J2 号 p. 341-348
本研究では,コンクリートの乾燥収縮実験のデータベースを用いて,示方書予測式,複数の機械学習モデルで乾燥6か月の収縮ひずみの予測及び回帰分析を行った.機械学習のパラメータの最適化で予測精度はわずかに向上したが,本検討で用いたデータベースと学習モデルではデフォルトの設定でも一定レベルの予測が可能であった.また,予測子に乾燥28日の収縮ひずみを用いると,機械学習による乾燥6か月の収縮予測の精度は大幅に上昇した.予測子の重要度分析では,単位水量や骨材密度に関するパラメータの重要度が高く,乾燥28日の収縮ひずみを用いると重要度が最も高くなった.乾燥途中の収縮ひずみは材料特性,施工性などの要因も包含し,機械学習を用いることで,設計上のパラメータ以外の要因による影響が大きいケースも抽出できることが分かった.