2021 年 2 巻 J2 号 p. 55-61
RC構造物の表面塩化物イオン濃度に関する設計式について,港湾基準では,実測データを朔望平均満潮位(H.W.L.)からの距離のみで線形回帰した式が用いられるが,この式は未だ実測データの全てに対し十分に再現しうるものではない.本研究では,上述の線形回帰式の構築に用いられた実測データに対してデータ駆動型アプローチとして機械学習を援用し,環境に関するデータから,回帰性能の向上に寄与する変数を抽出するとともに,それらを説明変数とした新しい回帰モデルの構築と性能評価を行った.その結果,有義波高を説明変数に加えることにより,特に海面付近の表面塩分濃度の回帰性能が向上できることを確認した.