2021 年 2 巻 J2 号 p. 626-631
日本の橋梁は老朽化が進み,その多くの橋梁を管理している市区町村の役場では土木技術者が不足している.そのため,橋梁の劣化を簡易に把握できる点検手法が求められている.本稿では,土木分野に精通していない職員でも簡単に取扱うことができるように,ドローンなどに搭載されたディジタルカメラで撮影された橋梁の拡大写真をアップロードすることにより,損傷度合をディープラーニングにより推論した結果が自動的に出力される手法を試みた.その結果,現地でスマートフォンやタブレット端末から写真をアップロードし,瞬時に橋梁損傷度の結果が出力されるため,土木分野の専門知識がなくても橋梁の劣化診断が可能となった.