2021 年 2 巻 J2 号 p. 681-686
本研究では,高速道路のトンネル灯具取付部材の画像を入力とし,ボルト・ナット部の腐食状況に着目した劣化診断結果を出力する深層学習モデルを構築する. YOLOv3のアルゴリズムに対して,データ拡張とアンカーボックスの最適化により,本研究で対象とする灯具取付部材の劣化判定に適したモデルを構築した.その結果,333枚という極めて少ないデータセットによる学習であったにも関わらず,データ拡張やアンカーボックスの最適化を組み合わせることにより,構築したモデルの灯具取付部材に対する劣化度の診断精度は80%以上に達することが分かった.今後はより多様な設置条件下での画像サンプルを拡充することにより,モデルの精度向上を目指したい.