2021 年 2 巻 J2 号 p. 687-690
冬季の北陸新幹線においては,車両台車部への着雪対策として雪落とし作業を実施している.雪落とし作業の要否は事前の降雪予報と社員の経験に基づいて判断するが,作業時に着雪状況を確認すると想定より着雪が少ない状況が散見されていた.一方で,気象情報と着雪には相関があることも確かであり,気象情報と列車走行データからAIを活用した高精度な着雪量推定モデルが作成できないか検討した.推定モデル作成にあたってはオープンイノベーション形式のコンペティションを開催し,コンペにおける上位複数モデルを組み合わせた雪落とし作業の要否判断支援ツールの導入を検討した.本稿では,解決策の着想から実務実装までの取組みを紹介する.