2021 年 2 巻 J2 号 p. 79-86
良質な材料を使用し,適切に配合選定されたコンクリートを使用しても,打込み・締固めが不適切であれば,コンクリート本来の性能は発揮されない.従来,コンクリートの締固めの程度の判断は,締固め作業従事者の経験に基づく感覚と目視評価によって行われている.昨今,技術者の減少や働き方改革に伴うコンクリート工の生産性向上が求められており,品質を確保した上で省人化,省力化あるいは無人化技術の開発が望まれている.筆者らは,従来の技術者の目視評価を AIが代替することができるシステムを考案し検証を重ねてきた.その結果,ビデオカメラで撮影した映像から得られるフレーム画像に技術者の完了判定を正解ラベルとして学習することで,AIがコンクリートの締固め完了を技術者に近い形で判定できることを示し,その有用性を確認した.