2021 年 2 巻 J2 号 p. 792-800
耐候性鋼材の点検方法は目視による5段階の外観評価が一般的であるが,点検者によって判定が異なる可能性があることから定量的な評価手法が求められている.そこで,ディープラーニングを用いたさびの自動判定評価手法が提案されているが,アノテーションされたさび画像が不足しているという課題がある.本研究では,敵対的生成ネットワーク(GAN)を用いてディープラーニングによって使用できるさび画像を生成することを目的とし,教師データとして使用するさび画像枚数とGANから生成されるさび生成画像を比較することで,GANによるさび画像生成の可能性について検討した.その結果,評点3のさび画像が4枚以上で構成されているデータセットから生成されたさび画像は,専門家による外観評価でも概ね評点3と判定され,画像としての多様性もあることを確認した.