2021 年 2 巻 J2 号 p. 848-855
本研究では,石川県内で発生した歩行者事故を対象とし,子供の歩行中事故要因を把握するため,交通事故統計データを利用した分析を試みた.要因把握に際しては歩行者と運転者それぞれに着目し,歩行者の年齢区分毎に法令違反と人的要因を分析した.歩行者に着目した結果,小学生以下は飛出し違反を占める割合が高く,未就学児は保護者等の不注意,小学生は安全不確認を占める割合が高いことが明らかとなった.また,運転者に着目した結果,相手歩行者が小学生以下の場合は安全運転義務違反(安全速度)と誤判断(予測不適)を占める割合が高く,歩行者が交通ルールを守ると思い込んだ等が主な要因であることが明らかとなった.