2021 年 2 巻 J2 号 p. 856-862
本稿では,土木分野の判読技術を対象としたセマンティック・セグメンテーションにおいて,少量の事象で精度を向上させるためのアノテーション方法を検討する.判読対象は枯死木判読とする.検討するアノテーション方法は,枯死木のみをアノテーションする方法と,枯死木だけでなく誤抽出しやすい人工構造物等もアノテーションする方法とした.この2つのアノテーション方法を比較した結果,抽出精度は後者の方が高く,誤判読しやすい対象物もアノテーションすることで抽出精度が向上することを示した.枯死木判読の観点からすると,この抽出精度の向上により,技術者の省力化や気づきを与えることも分かった.