2022 年 3 巻 J2 号 p. 1029-1036
我が国においてもディープニューラルネットワークの社会適用が進み,社会資本インフラの分野でも様々な研究,そして,実用化を試みる業務例が見られる.一方で,ディープニューラルネットワークの学習に不可欠な大量データの整備は進まない.工場等の屋内一定条件下でのデータと異なり,屋外にある社会資本インフラに関わるデータは多様であり,その多様性を表現したデータベース整備は今後進んで行くものと思われる.本稿ではそのような現状を踏まえ,ディープニューラルネットワークよりもパラメータ数の少ないリザバーコンピューティングをダム流入量予測に適用し,その実用可能性を確認した.ある程度の予測精度を確保できるが,ディープニューラルネットと比較すると精度が悪く,今後,ネットワーク等の工夫が必要であることが確認できた.