2022 年 3 巻 J2 号 p. 1042-1052
本研究では,著者らが開発した,レーダ画像からGANの一種であるpix2pixを利用してコンクリート内 部のひび割れを可視化する手法を,準3次元情報を付与して高精度化する手法を提案した.既往の研究では,欠陥情報を含むコンクリート断面画像およびそれに対応するレーダ画像のペアを多数取得し,それを学習データセットとしてpix2pixに学習させ,レーダ画像から欠陥断面画像を出力するモデルを構築していた.そこで本研究では,さらに,材料の分布性状は異なるが,欠陥の分布情報はほぼ同様になる,レーダ走査位置をコンクリート内の粗骨材の最大寸法程度だけ奥行き方向にずらした,2枚のレーダ画像を入力して欠陥断面画像を出力する手法の適用を試みた.提案手法は,従来手法では精度が低下する条件でも,高精度で推定できることが分かった.