2022 年 3 巻 J2 号 p. 145-157
わが国では,Society 5.0時代に向けサイバー空間とフィジカル空間を高度に融合した社会の実現を目指している.その背景としては,高度な技術の発展とともに人口減少に伴う労働生産人口の減少が挙げられ,生産性の向上が必要である.橋梁をはじめとする社会基盤構造物の維持管理においては,適切な目視点検結果・評価が重要である.そこで,点検技術者不足を補う方法としては講習会やe-Learningが実施されている.このような学習に対してXRと総称されるVRおよびARの教育支援への活用が考えられる.VRに関しては,そのデータをMR-HMDを通して体験することで没入感のある体験が室内で可能となり,橋梁点検者を支援し生産性を向上させることができる.本論文では,これらの活用ポイントについて述べる.