2022 年 3 巻 J2 号 p. 158-167
北海道石狩川流域の泥炭性軟弱地盤から得られた675点の自然含水比データにもとづいて,その確率的な分布を深度の関数として一般化線形モデルによってモデル化した.含水比の分布には3種類の確率密度関数を候補とし,その確率分布の平均値を深度に関する0次〜5次の多項式としたモデルが検討された.確率密度関数およびモデル次数が異なる18モデルの統計的,工学的な視点による比較から,有機分を含んだ土質および無機質土に対し,工学的に最良のモデルを提案し,その妥当性が確かめられた.また,ブートストラップ法を用いて提案モデルの含水比平均,5パーセンタイルおよび95パーセンタイル点の信頼区間を算定し,母集団である原地盤における自然含水比分布を推定した.